
監修
駒崎 優(こまざき まさる)さん
1947年生まれ。
NPO法人「ウォーキング研究所」を主宰。
ウォーキングインストラクターとして各地で実践指導を行う。
「歩くことは、単なる移動手段ではありません。健康、美容、見聞を広めるなど、そこにはいろいろな可能性が秘められています。他のスポーツと異なり、ウォーキングならいつでもどこでも始められますし、お金もかかりません。 ぜひ正しい歩き方をマスターして、歩くことの素晴らしさを感じていただきたいと思います」
靴は、ウォーキングの大切なパートナー。「今更、当たり前な…」と思わず、お聞きください。ヒトの場合、パートナー選びを誤ったために「失敗した!」というのは、よく耳にする話し。靴も全く同様です。自分の足に合った靴を選ぶべきなのに「買った靴に自分が合わされている」ケースが何と多いことでしょう。そして誤った靴選びが、外反拇趾など足にまつわるトラブルに…。 ヒトも靴も、一緒にいて安らぐようなパートナーを選びたいモノ。そのためには、まずは「自分自身=自分の足」を知ることです。爪先をじっと観察してみましょう。大まかに3つに分類されますが、足型にもキ ャラがあります(イラスト参照)。何型か分かったら、相性の良いデザインの靴が見えてきます。
ウォーキング教室などでは「1.歩幅は広く」「2.腕は大きく」「3.ハイペースで」とアドバイスされることがありますが、これはあくまでも競歩などスポーツ用のテクニック。 F1のレーシングカーで公道を走れないのと同様に、日常生活で歩くには現実離れしています。まずはこの3つを「やらない」こと!もう一つ「4.ダイエットのためには30分以上は歩く」 というのもよく聞きます。運動開始から脂肪の燃焼が始まるまで15分〜20分のタイムラグがあるためですが、これもひとまず忘れてしまいましょう。 まずすべきことは、正しいフォームを意識すること。写真を参考に、ポイントを意識して歩いてみましょう。ダラダラ長時間歩くより、たとえ5分間でもこのフォームを保って歩く方が効果的です。
正しいフォームで歩いてみると、お腹がギュッと引き締まりませんか? 正しいウォーキングは、腹筋を使う運動でもあります。コツは足ではなく「ヘソで歩く」イメージを持つこと。そうすると、体の重みに押されるように自然にスッと足が出るはずです。最初は驚くほどキツく感じるかもしれませんが、慣れれば自然に出来るようになります。毎日続ければ、いつの間にかぜい肉も取れて、ウエストが締まっているでしょう。 もう一つのポイントは、かかとから着地すること。このとき爪先は30度上げます。 鏡から1メートルほど離れて、靴の裏が完全に見えるまで爪先を上げてみましょう。そのポイントが約30度です。実際にやってみると足首やふくらはぎに相当効くはず。美脚を目指して足首を引き締めたいときも、正しく歩くことです。
歩くことは「体」のみならず「頭」にも効果的。 考えが行き詰まった時に、部屋の中をウロウロして気を紛らせた経験はありませんか?これは自然な行動で、歩くと頭がスッキリするからに他なりません。歩くと全身の筋肉の約3分の2が動員されます。 多くの筋肉を動かせば神経の働きも活発になり、脳に程良い刺激となるのです。ぜひ靴を新調し、”身心にいい”一歩を踏み出してみてはいかがですか?
基本は「履き回し」
同じ靴を履き続けると、他の靴を履いた時に靴ズレしやすくなります。2足以上購入して、履き回すようにしましょう。また1足で兼用せず、ウォーキング用からフォーマルなものまで、用途に合わせて靴を揃えることも大切です。
骨を強くするには、適度な刺激が必要。歩くと骨に程良い刺激になり、屋外なら日光に当たることでカルシウムの吸収を助けるビタミンDの生成も活発に。丈夫な骨づくりにもウォーキングが良いとされて います
若々しさの秘訣も、歩くこと。歩いて汗をかくと新陳代謝が活発に。血液の循環も良くなり、皮脂が分泌されて肌も潤うと言われています。
本文でも紹介した通り、ウォーキングは脳の活性化にも効果的。これは脳に新鮮な酸素が取り入れられ、血流が活発になるから。中高年の認知症予防にも、歩くことが奨励されています。